セイノーホールディングス

株主の皆様へ

株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善、個人消費の持ち直しなどを背景に緩やかな回復基調が継続したものの、不安定な国際情勢や金融資本市場等による国内景気への影響が懸念され、依然として先行きは不透明な状況で推移いたしました。

当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、労働需給の逼迫による外注費の上昇や人件費の増加などの課題を抱えつつも、景気回復を背景に貨物輸送量が増加基調で推移し、適正運賃収受に向けた取り組みの効果も現れ始めてまいりました。

このような状況のもと、当社グループは、今年度を初年度とする中期経営計画「バリューアップ チャレンジ 2020 〜成長へのテイクオフ〜」を策定し、これまで培ってきた「強み」を伸ばし企業価値の最大化を追求するとともに、新たな価値の創造を目指し、一丸となって邁進してまいりました。

その一環として、阪急阪神ホールディングス株式会社および株式会社阪急阪神エクスプレスと国内外で相互に補完的役割を果たし顧客に新たな物流サービスを提供するため、平成291225日付で資本・業務提携契約を締結いたしました。

さらに、国内・アジア圏における3温度帯物流の確立に向け、平成2910月2日付で首都圏近郊3カ所に大型冷蔵冷凍倉庫を保有する昭和冷蔵株式会社(東京都中央区)および製氷業のショーレイフィット株式会社(同)を子会社化するとともに、同年1011日付でインドネシアのPT Seino Indomobil Logisticsにおいて、同国内における冷凍食品輸送を開始しております。

また、平成29年5月30日付で新太田タクシー株式会社(岐阜県美濃加茂市)、可児タクシー株式会社(同可児市)および多治見タクシー株式会社(同多治見市)の株式100%をそれぞれ取得し、子会社化いたしました。タクシー事業に加えコミュニティバスの運行等を通じて、地域と社会に貢献をしております。

この結果、当連結会計年度の売上高は5,96130百万円(前連結会計年度比5.0%増)、営業利益は27879百万円(前連結会計年度比2.8%増)、経常利益は29120百万円(前連結会計年度比0.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、20046百万円(前連結会計年度比10.1%増)となりました。

輸送事業

輸送事業におきましては、中期経営計画のもと、少子高齢化による人口減少と労働力不足を見据え「良循環から効率化へ」を戦略ビジョンに掲げ、人員戦力を最大限に活かし効率性を高めてまいりました。

輸送事業の中核会社にあたる西濃運輸株式会社では、安定した輸送品質を継続して担保するため利益重視の施策である適正運賃・諸料金・燃料サーチャージ収受の交渉を継続するとともに、新規荷主の獲得・継続をはじめとする取扱貨物の増加にも注力してまいりました。一方、東京・大阪間での路線便の複数便体制による定時定配輸送の更なる精度向上を進めるとともに、長距離路線便の一部を鉄道輸送に切り替える取り組みを強化することで、収益の改善と労働時間の短縮や環境負荷軽減につなげてまいりました。

また、ロジスティクスの分野においては従来の「物流+輸送」に加え、お客様の「製造・加工業務」を取り込むことでファクトリー機能を加え、+αの価値を提供してまいりました。

さらに、労働人口減少下における人材採用・育成のため、免許取得費用補助の設定や施設の整備・拡張等による福利厚生の充実を促進し、また働き方改革による労働時間の短縮や業務負担の軽減を行い、定着の向上にも努めてまいりました。その他、安全推進インストラクターを中心とした安全教育・研修を実施し、全社を挙げて技術や意識の向上を図っております。

この結果、売上高は4,43167百万円(前連結会計年度比4.8%増)、営業利益は20965百万円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。

自動車販売事業

当事業中、乗用車販売におきましては、オリジナル特別仕様車の設定や新型車を中心としたキャンペーン等を展開してまいりましたが、最量販車種の新車効果が一巡したこともあり、新車販売台数は前年同期実績をわずかに下回る結果となりました。しかし、中古車販売においては、地域に密着した営業活動により小売台数を伸ばすことができたことから販売台数は前年同期実績を上回りました。サービス部門は車検や整備入庫に加え、メンテナンスパックやボディーコート等の繰返し入庫につながる商品の販売促進を図ることで、収益の確保に努めてまいりました。

トラック販売におきましては、国内販売が堅調に推移したことに加え、SUBIC GS AUTO INC.(フィリピン)での販売台数が大幅に増加したこともあり、新車販売台数は、前年同期実績を上回りました。また、車検を中心に整備入庫を促進して入庫台数を増やすとともに中古部品販売にも注力いたしました。

この結果、売上高は1,03342百万円(前連結会計年度比3.1%増)、営業利益は4922百万円(前連結会計年度比2.6%減)となりました。

物品販売事業

当事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。燃料販売における販売単価の上昇や数量増に加え家庭紙販売も堅調に推移したことから、売上高は31575百万円(前連結会計年度比13.8%増)、営業利益は8億9百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。

不動産賃貸事業

   

当事業におきましては、主に都市開発の影響や狭隘化などの理由で代替化措置が図られたトラックターミナル跡地や店舗跡地などを賃貸に供することで経営資源の有効活用に努めております。

売上高は1598百万円(前連結会計年度比3.6%増)、営業利益は1239百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。 

その他

その他事業におきましては、情報関連事業、住宅販売業、タクシー業、建築工事請負業および労働者派遣業などを行っております。情報関連事業においてソフトウエア開発、クラウドサービス、情報機器販売が好調に推移したことなどから、売上高は16445百万円(前連結会計年度比8.6%増)、営業利益は9億20百万円(前連結会計年度比26.6%増)となりました。

わが国経済の今後の見通しは、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策効果もあり緩やかな回復基調が続くものと思われますが、海外諸国の諸問題や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど、先行きに不透明感が残されております。

このような中、当社グループは、2年目となる3ヵ年中期経営計画「バリューアップ チャレンジ 2020 〜成長へのテイクオフ〜」の諸施策を着実に実行し、これまで培った「強み」を伸ばし企業価値の最大化を追求するとともに、変革と挑戦を加速し新たな価値を創造してまいります。

主力の輸送事業では、堅調な国内民間需要の増加を背景に消費関連貨物や生産関連貨物の増加が見込まれ、また適正運賃収受の動きも広がりを見せるなど明るい兆しも見えてまいりました。一方では、人件費や外注費の上昇に加え燃料価格の高止まり等もあり、継続的な収入・利益確保への取り組みに加え、労働力不足への対応が重要となります。

そのため、引き続き適正運賃・諸料金・燃料サーチャージ収受への取り組みや、新規獲得およびその継続出荷率向上、ロジスティクス事業の強化に努めてまいります。更に、モーダルシフトの拡大やダブル連結トラック導入への取組み、EDI(電子データ交換)化の促進、配達車両の位置情報提供(いち知る)による効率化の追求などにより時間生産性の向上を図ることで顧客満足度に加え、従業員満足度の向上を目指してまいります。

一方、人口減少や少子高齢化の進展による国内貨物輸送量の縮小を念頭に置き、国際輸送事業に強みを持つ株式会社阪急阪神エクスプレスとの協業を一層進め、国内外で持続的な成長を目指してまいります。

自動車販売事業の乗用車販売では、少子高齢化、若者のクルマ離れなど社会構造の変化により新車販売台数の伸長に陰りが出ると見込まれます。そのため、中古車販売、部品販売、車検、修理などの保有ビジネスの拡大を通じて経営の安定化を図るとともに、軽自動車の新車販売にも注力してまいります。トラック販売におきましても車検・修理などの保有ビジネスの拡充と中古車部品販売に取り組むとともに、店舗のリニューアルや最新設備の導入などにより顧客満足度を高めつつ、地域に根付いた営業を展開してまいります。

物品販売事業およびその他では、既存事業強化による販売拡大やお客様目線での新商品開発を実施してまいります。

不動産賃貸事業では、遊休不動産の賃貸、売却を進めるとともに低利用不動産の有効活用を図ってまいります。

当社グループといたしましては、これらの経営課題に着実に対処するとともに、事業基盤を強化し、お客様の繁栄に貢献するため、更なる成長を目指してまいります。

    株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。 

  平成30年6月
  代表取締役社長 田口 義隆

  代表取締役 田口 隆男