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サポートセンターへの運用委託のススメ

2015年11月17日

今回のコラムでは、運送会社A社様から委託いただいている、Web輸送システム(顧客が荷物の運送状況を照会できるシステム)のカスタマーサポートの事例を通じて、サポートセンターを利用する有用性をご紹介します。

サポートセンター委託前の状況

A社様が顧客用に開発したWeb輸送システムは、当初機能も限られ、お客様数もそれほど多くありませんでした。

そのため、サポート体制を整える必要もなく、システムを開発したA社開発部メンバーが、お客様からの問い合わせに対応していました。

この時点では、お客様からの声が直接開発者に伝わるため、システムの課題や問題点を早期に把握でき、システム修正にも迅速に対応できました。

一方で、下記のような問題が発生していました。

  • 開発部メンバーが操作質問やクレームに忙殺され、本来のシステム企画、開発設計等の業務の滞りや、残業が頻発した
  • ユーザーの意見を聞き、急いで機能を追加した結果、変更内容が書面等で残っていないものもあり、最終的な全体仕様の把握が開発部メンバーの記憶頼りになってしまった
 

サポートセンター委託に至ったきっかけ

A社様のシステムの利用者数が増えていき、問合せ数がA社開発部の許容量を超えつつあったため、別システムでサポートセンター業務の実績があった当社にお声がかかりました。

その時点では、ある程度問題は分かっているものの、根本的な解決策は分かっておられず、ただ開発部メンバーの負担を減らしたいといった漠然とした内容だったため、まず当社から「運用にかかるコスト」と以下の「問題点」を提示しました。

  • 対応したメンバーによって、サービスレベルにばらつきが生じている
  • 対応者の不在時に問合せがあった場合、他のメンバーでは対応できない
  • メンバー個人に多大な負担がかかる

A社様は「コスト」と「問題点」、想定される「解決によって得られる効果」から、当社サポートセンターへの委託を決定されました。

標準化サポートに必要なこと

委託を受けた当社では、それまでのメンバー個人の経験と知識頼りではない環境をつくりあげるために、4つの事項を整理しました。

  1. 現在のシステムの全体仕様
  2. システムのマニュアル整備(お客様用、サポートセンター用のそれぞれに適したもの)
  3. 既存ユーザーのデータ管理(利用機器、システム環境)
  4. サポートセンタースタッフの増員

まずは、これまでの問い合わせ履歴をA社様開発部メンバーから聞き取りました。すぐにFAQを作成した上で、新たに整備したシステムのマニュアルと合わせ、実際の問い合わせ内容が元になったFAQ中心の事前勉強を行うことで、スタッフはより実践的な知識を積んでいきました。

また、当社では、お客様との対応記録を残すのはもちろん、対応したスタッフ自身がマニュアルを随時更新し、他スタッフへの知識共有へつなげていく運用を確立しています。

サポートセンター開設後の状況

サポートセンターの開設によって、A社様開発部メンバーの負担は軽減され、本来のシステム企画、開発業務に専念できるようになりました。

また、お客様はこれまでトラブルの内容により問合せ先が違いましたが、窓口が一本化されたことで、内容に関わらず同じ所に電話すればよくなり、煩わしさが解消されました。

システムの機能については、一旦サポートセンターでお客様から聞き取ったご要望を精査しA社様開発部に報告することで、機能追加すべき内容なのか、ひとつのお客様の運用に特化したご要望なのか、など全体的な目線での取捨選択ができ、本当に必要な機能から優先的に追加・修正するなど、システム開発コストと効果を整理する機会にもなっています。

最後に

サポートセンターは、実際にシステムを利用するお客様から、直接お声を受けとる窓口です。

お客様に対しては委託元の企業のイメージを作る「顔」として、委託元の企業様に対しては、お客様の目線でシステムの在り方を提案する役割を持っています。

また、お問い合わせの中には、委託元の企業様にとって商品の改善や新商品のヒントが隠れています。自社社員の負担軽減のみならず、玉石混淆のお問い合わせの中で「玉」を見落とさないためにも、専門のサポートセンターへの委託を検討されてはいかがでしょうか。

執筆 : 技術部カンガルーマジックサポートセンター K.K.