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事業変化に対応できる 生産管理のしくみ

Vol.2 3PL事業者選択プロセスにおけるポイント【提案依頼フェーズ2】

2020年2月20日

 前回のコラムでは、3PL事業者へ提案依頼する際のポイントとして、3PL利用目的や委託範囲を明確化することや、また、全社的なプロジェクトチームを発足することの必要性をお伝え致しました。
 今回は、3PLコンペ開催にあたって、3PL事業者へ開示すべき情報や、見積条件の提示方法など、具体的な手順について、お話させて頂きます。

現状の物流業務を全てオープンにすること

 3PL事業者へ以下の5つの情報を提示することをお薦めします。

 (a)入出荷・在庫データなどの実績情報と商品・納品先などのマスター情報の提示
 (b)現状業務フロー、現状レイアウト、現状タイムスケジュール、現状要員体制の提示
 (c)現状コストの提示
 (d)現場視察による現場状況
 (e)現状業務課題

(a)入出荷・在庫データなどの実績情報と商品・納品先などのマスター情報の提示

 3PL事業者が欲しい情報を十分に提供されないケースが多々あります。例えば、1年間のデータを提示されないケースがあります。どのような企業様も繁忙期や閑散期など物量には波動があるため、コンペ開催の直近3ヶ月程度の情報では、1年間の波動はわかりません。取扱商品が季節の影響を受ける場合はなおさらです。
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 繁忙期の情報で物流を設計すると、やはり、物流センターの坪数や人員数が過剰になってしまい、コスト高になりますし、3PL事業者としては採算が合わなくなります。逆に、閑散期の情報で物流を設計すると、物流センターの保管スペースが足らずに通路に商品が溢れてしまい、外部倉庫をすぐに借りることになってしまいます。このようなことを未然に防止するために、1年間分の情報を提示することを心掛けてください。

 また、商流の情報は提示されても、3PL事業者が欲しい物流の情報を提示されない場合もあります。例えば、何月何日にXX県のA得意先にB商品をXピース納品したという商流情報があっても、その商品のサイズや重量、また、1ケースにZピース入りのため何ケースで出荷したという情報はない場合が多いです。
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 物流センターでは、何ケース・何ボールまたは何ピースをピッキングして何箱に梱包するかで作業費が決まりますし、どれぐらいのサイズで何kgの商品をどこに届けるかで配送費が決まります。
よって、コンペを開催する際には、物流データを準備することを事前にご計画下さい。

(b)現状業務フロー、現状タイムスケジュール、現状要員体制、現状レイアウトの提示

 現状業務で不透明な部分かあると、3PL事業者としてはリスクを取る必要があり、それはコストに反映されます。そのため、現状の業務内容や要員体制などの実情を正しく伝える必要があります。

 荷主企業様によっては、現状の人員数を曖昧にしたり、または、実際よりも少なく伝えるケースがあります。その方が見積単価が安くなるとお考えなのだと思います。確かに、次のように安易な計算しかしない3PL事業者の場合は、そのような結果になるかもしれません。例えば、出荷作業の人員数が10人で、1日あたり1000件の出荷があれば、1人8時間で100件こなせるとして、時給から計算して単価を出すといった安易な考え方です。そのような場合は、人数を少なく伝えた方が提案時の見積単価は安くなりますが、運用稼働後に出荷作業が予定時間までに終わらないなど、すぐに問題が発生することは目にみえています。やはり、情報を正しく伝えることが、適切な提案を受ける大事な条件となります。

(c)現状コストの提示

 コスト優先で評価するコンペの場合でも、現状コストを明らかにしないことが多いと思います。前述した要員数と同様に、現状コストも同様に、明確にしない方が安い見積りが出されると勘違いしている企業様が多いと思われます。情報を少なくして間違って安い単価を受け取っても長続きせず、すぐに値上げ交渉が始まります。また、3PL事業者を切り替えるにも、荷主企業様側に労力やリスクがあるため、結局、値上を受け入れることになり、近いうちに再コンペを開くことになり勝ちです。  現行コストと目標コストが明確になっていれば、3PL事業者にとっては、腕の見せ所となりますので、3PL事業者は目標コストに近づけるために、より工夫し、より適切な設計を行い、厳密なコスト試算を行います。このように、3PL事業者の知恵を引き出すためにかも、現状コストも含めて全てオープンにすることは、荷主企業側にとっても大きなメリットがあると思います。

(d)現場視察による現場状況

3pl  現在の作業者へモチベーションを低下させないために、現場視察を行わない/行えない場合が多々あるかと思います。しかし、「百聞は一見にしかず」でありますので、より良い提案を受けために、可能な限り、3PL事業者に現場を案内することをおすすめします。どうしても難しい場合は、様々な現場の写真を提示することをおすすめします。商品の荷姿や入出荷作業の様子、商品の保管の様子など、現場そのものを見ることができなくても、写真から読み取れることは多々あるからです。

(e)現状業務課題の提示

 最後に、現状の物流に関する様々な課題についても、合わせて伝えることをおすすめします。3PL事業者にて色々な課題解決のノウハウを持っているため、そのような部分もオプションとして提案を受けることができます。

 前回のコラムにはお伝えした「目的を正しく伝えること」と共に、前述した「現状の5つの情報を包み隠さず伝えること」により、改善・改革といった工夫による高品質・低コストな提案を受けることを考えましょう。

次回は、3PL事業者から提示される見積を適切に比較するために、明確化すべきことについてお話しします。

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