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早川典雄のロジの素

第1回 ロジスティクスの目的と期待

2019年8月27日
取締役 物流技術担当 博士(工学)早川典雄

第1回は、ロジスティクス*1の目的と期待のおさらいをします。

ロジスティクスの目的

経営管理としてのロジスティクスの目的は、企業間競争で優位に立つことです。企業は、競争優位を発揮し、自らの事業の継続性を高めるために利益を得ようと活動しています。
また、ロジスティクスの狙いは、顧客満足の向上であり、サプライチェーンに存在するあらゆる顧客からのモノの移動に関する要求に適応することにあります。移動には、時速0kmの輸送と言われる保管(在庫)も含まれます。
そして、ロジスティクスの役割は、次の3 つであるということができます。

  1. モノの効率的あるいは経済的な移動
  2. モノの安全かつ確実な移動
  3. モノの顧客から要求される品質および状態での移動

これらをまとめると、ロジスティクスの目的・狙い・役割は、図1のように整理できます。

物流の敵に勝つ、変化に勝つ
図1.ロジスティクスの目的・狙い・役割

*1:ロジスティクス
物流の諸機能を高度化し、調達、生産、販売、回収などの分野を統合して、需要と供給との適正化を図るとともに顧客満足を向上させ、併せて環境保全、安全対策などをはじめとした社会的課題への対応を目指す戦略的な経営管理。
(日本工業規格( JIS ) , Z 0111:2006 物流用語, a) 物流一般, 番号: 1002)

ロジスティクスへの期待

ロジスティクスの本質的な期待は、モノの価値を発現することにあります。
例えば、顧客が小売業者の場合、モノが小売業者の手元に届き、消費者に販売された時にはじめてその価値が発現します。同様に、モノが顧客が消費者の場合、消費者の手に渡り、使われて、はじめてその価値が発現します。

言い換えれば、どんなに価値のあるモノであっても、顧客が必要とする時に、必要とする場所へ、必要とする量を、必要とする状態で届けることができなければ、それは真に価値があるモノとなりません。
このように、モノは、顧客の手元に届くことでその要求を満たしますが、その価値は届け方に左右されます。

サプライチェーンにおけるあらゆる組織(図2)にとって、ロジスティクスへの期待は大きいのです。

物流の敵に勝つ、変化に勝つ















図2.サプライチェーンにおける組織(フードチェーンを例示)

次回は、ロジスティクスの目的の達成を揺るがす、「物流リソース不足」についてお話しします。