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早川典雄のロジの素

第2回 リソース不足の中身

2019年9月17日
取締役 物流技術担当 博士(工学)早川典雄

第2回は、物流・ロジスティクスの活動に必要となる「リソース」の不足について考えてみたいと思います。

不足する2つのリソース

これからも続く人手不足は、「消費人口に比べて、生産人口が大きく減る」ことがベースにあります。物流業界でも、これが、労働需給のギャップ拡大という形で現れています。

本コラムの「シーズン2:物流の敵に勝つ、変化に勝つ」では、第8回から第19回まで、「人材・人手不足と戦う」をテーマに掲げ、リソースの不足が深刻な局面を迎えている物流業界において、物流が本来持つ機能と役割を発揮するために必要な対応方法を共有しました。
その中でも、トラック・ドライバーの不足は、物流のリソース不足の代表例として取り上げられることが多いです。それは、トラック・ドライバーの高齢化や、以下の3つの要因による担い手不足が深刻であるからでしょう。

  1. 長労働時間(長い拘束時間・連続運転時間、短い休憩時間など)
  2. 低賃金(全産業の中で低水準)
  3. 安全・環境(交通事故、高負荷作業(手積・手卸)など)

さて、図1は、筆者が物流・ロジスティクスの活動領域と活動レベルを示し、リソース不足の中身を描いてみたものです。活動領域には、「戦略」、「計画・管理」、「運用・作業」の3つがあります。求められるリソースは、活動領域によって異なります。

いま危機的状態にあるとしてクローズアップされているのは、トラック・ドライバー、物流センター作業員など「運用・作業」を担う人手の不足(労働人材の不足)です。しかし、目線を「戦略・計画・管理」へ移すと、リソース不足の中身は、変わります。この活動レベルで求められる人材は「中核人材」です。中核人材は、具体的には、CLO、プランナーやマネージャーなどです。

物流リソース不足時代を勝ち抜く、ロジスティクスのリビルド
図1.リソース不足の中身

人手不足の解消は、中核人材の仕事

いまある物量を運び、捌くのに必要な人手が足りないという現実は、至る所で見聞します。人手不足を解消するポイントは、運用・作業の「省人化」「標準化」であることは間違いないと思われます。しかし、「いまある物量」という点に着目すると、それを前提としなければならないのかという疑問が湧きます。

商取引(企業間・企業内)の結果がいまの物量を決めるとすれば、その物量を平準化(山崩し)する、生産(Production)・販売(Sales)・在庫(Inventory)の調整は、人手不足を解消するポイントの1つになります。

各部門の垣根を越え、在庫・生産情報を一元管理し、そのつながりをリアルタイムに可視化します。こうして、未来在庫を全社で共有することで、部門間のコミュニケーションが活性化され、計画変更や納期調整の迅速な対応が期待できます。
そして、物流リソースがキャパシティに収まるよう、在庫計画を立てた後に物流リソース計画を見直すことで、在庫と物流リソースの適正化が実現できます。

物流リソース不足時代を勝ち抜く、ロジスティクスのリビルド

図2.PSI情報の連携による必要リソースの低減