ホーム > 早川典雄のロジの素 > 第1回 ロジスティクスの実現が企業価値を高める


第1回
ロジスティクスの実現が企業価値を高める

2014年12月24日
取締役 物流技術担当 博士(工学)早川典雄

マッシュアップとは

今回は第一回なので、本題に入る前に「マッシュアップ」という言葉を書名に用いた意図について説明します。マッシュアップを直訳すると、「混ぜ合せる」、「擦り潰す」という意味ですが、具体的には、何にどう使われているのでしょうか。

音楽業界では、二つ以上の曲を合成して一つの曲にする技法をマッシュアップと言っています。例えば、ポピュラー音楽で、二つの既存楽曲の要素(伴奏、ボイス)を取り出して組み合わせ、一つの新しい楽曲を作り上げるリミックス手法です。

また、IT用語としても使われています。複数の異なる提供元の技術やコンテンツを複合させて新しいサービスを形作ること、複数のAPIを組み合わせて形成された、あたかもひとつのWebサービスであるかのような機能を、マッシュアップと呼んでいます。例えば、各種ウェブサービスを外部から利用するためのAPIを使って、検索情報と商品情報を組み合わせたり、地図情報と店舗情報を合わせて表示するサービスなどがあります。

本書では、この「マッシュアップ」を広く解釈し、事業環境の変化が激しく、不確実性の時代と言われる中では、まったく何もない状態から新しい技術や考え方を取り入れるよりも、既知の優れた仕組み、サービス、情報をうまく組み合わせ、サプライチェーン・ロジスティクスを新しく創生するという意味で用いています。

日本経済が息を吹き返しつつある中、56年ぶりとなる東京オリンピック・パラリンピックの2020年開催が決まり、経済活動には追い風が吹いてきています。しかし、企業経営は、順風とまでは言えません。このような状況で、自らが生き残るためには、固定観念に縛られない自由な発想を持って、イノベーションを創造する必要があります。そして、社会や顧客に新たな価値を提供していかなければなりません。

マッシュアップ時代については、これから2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までの5~6年を指します。