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第7回 物流センターのQCDを改善する

2015年6月25日
取締役 物流技術担当 博士(工学)早川典雄

物流センター改善の主な対象は、Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の3つです。これら3つは、略してQCDと呼ばれます。QCD改善の目的は、品質の向上、コストの削減、納期の遵守です。

作業ミスの抑制や作業の効率化などのQCD改善は、いま何が問題なのか、何を目標として取り組むべきか、どんな物流センターになるべきなのか等の洗い出しや整理からはじまります。

「物流センターは、常に、変化する」という認識

物流センターにおけるPDCAサイクルの必要性

QCDの改善に取り組む上で、頭に置いておかなければならないのは、物流センターで取り扱う商品のライフサイクルが短くなっている、ということです。取り扱うアイテム数や物量の変化は、一度ベストな物流業務に改善できても、次第に作業の品質や効率の低下に繋がります。このため、物流現場の改善は、PDCAサイクルを継続的に回し続けることが必要です。

物流センター

改善は見える化からスタートする

物流センターのQCDを改善するために、大前提としてすべきことは、「現場の見える化」です。物流現場の改善活動の指針は、「見える化」によって得られたデータから作成できます。

見える化による物流改善活動は、課題の明確化、解決策の具体化、実現方法の詳細化および実行計画の共有化の、4つのステップで進めます。

物流現場には膨大なデータが山積みされています。その中には、改善に有効なデータが埋もれています。以下の6つの設問への回答は、物流現場に山積みされているデータを活用することで得られます。

  • 現場で発生している問題は何か?
  • どの作業で問題が起きているか?
  • 改善で達成すべき目標は?
  • なぜその問題が発生するのか?
  • 発生原因を取り除くため、何をすべきか?
  • 問題解決で、どれくらい効果があるか?

QCDの肝「人時生産性の平準化」

物流センターが見える化されれば、改善の余地がどこにあるかが明確になるはずです。そこで次にやるべきは、人時生産性の平準化です。人時生産性とは、作業員1人1時間あたりの生産能力です。人時生産性が高まれば、必然的に人件費が下がります。

特に、労働集約型物流センターでは、固定費・変動費を問わず、人件費が大きなウェイトを占めています。人件費のコントロールは、物流センター管理者の大きな役割です。

物流センター管理者は、人時生産性を高める方法を確立して、人時生産性をベンチマークし、目標値(ハイアベレージ値)とのギャップを明らかにしなければなりません。そして、目標とする人時生産性を掲げ、要員のシフトに関わる改善を継続し、更なるコスト改善に取り組む役目があります。

物流センター

※目標値(ハイアベレージ値):平均値を超えるデータを、平均した人時生産性値

人時生産性がバラつく理由

物流センターの人時生産性は、物量の変動によって、日々バラツキます。物流センターでは、「なぜ毎日同じ能力の人が同じ人数働いているのに、人時生産性がバラつくのか」と困惑する管理者が見られます。人時生産性が安定していない理由はいくつかあります。

  1. 物量にあわせた作業パフォーマンスになっている
    →物量が多い時、間に合わせようと急ぐので、人時生産性は上がる(がんばる)
  2. 物量の変化によって作業の環境が変わる(作業手順が変わる)
    →作業者、荷捌き場が変わるため、作業の所要時間が変わる

物流センターの人時生産性の平準化は、工程ごとの細かな作業時間の把握に始まり、改善目標値(ハイアベレージ)に近付ける努力の繰り返しです。この手順は誰でも分かるごく単純なことですが、始まりである「工程ごとの作業時間の収集」は、簡単ではありません。

人時生産性の可視化・改善を支援する「Flabor」の活用

人時生産性の可視化のポイントは、作業者に負担が掛からず作業時間を収集することです。手間がかかれば定着しません。そのため、誰でも直感的に操作できる簡単で見慣れた機器を使うのが有効です。

それを実現する方法の一つに、FLaborの活用があります。

FLaborは、個人ごとのICカードと現場に設置したタブレットで操作します。具体的には、作業の開始・終了時、タブレットにICカードをタッチするだけで、作業履歴が記録されます。

個人別、作業別の生産性や、ダンボール組立てなどこれまで把握できなかった作業まで記録できます。

さらに、これらの作業時間の収集の他、その後の改善余地把握、作業員調整、および改善効果確認の一連の改善活動や労務管理にも役立ちます。

物流センターのQCDを本気で改善したいとお考えの方は、活動のスタートして可視化ツール「FLabor」を活用下さい。