ホーム > 早川典雄のロジの素 > 物流の敵に勝つ、変化に勝つ > 第6回 「物量の変動」と戦う(5)


早川典雄のロジの素

前回は、「FLabor(フレイバー)」を導入した文具卸売業A社様の人時生産性を向上させる取組みを紹介しました。今回は、取組み事例の効果を深堀します。

改善効果の領域と削減効果

本取組みにおける改善効果は、図の通りです。

flabor

残業時間の削減

こちらの物流センターの改善を始めたきっかけに、他の物流現場と比べて残業が多いという点があげられました。

改善活動を開始する前の、ピッキング作業の平均人時生産性は80行でした。今回の取組み期間(13日)における出荷行数80,479行を80で除すと、延べの作業時間は1,006時間となります。

一方、改善後の平均人時生産性は96行であり、延べの作業時間は839時間となります。改善後の述べ作業時間は、改善前から167時間(1,006時間-839時間)削減ができた計算です。

同様の考え方で、検品・梱包作業については110時間削減できており、合計227時間の削減となります。この削減効果を1ヵ月に換算すると420時間となり、それだけの残業費削減に値する効果が出たと言えます。

作業日報の作成時間を削減

取組み以前は、作業員が作業内容と時間を手書きしており、手間がかかる状態でした。本取組みにより、作業日報を記載する時間が完全に不要となり、その分の時間が削減できます。1名につき作業日報の作成時間は平均5分/日。作業員は約20名であり、日報にかかる時間は1日約100分。1ヵ月では約33時間削減できる計算になります。

作業日報の入力時間を削減

管理者は、日報入力作業に多大な時間を消費していました。本取組みでは、FLaborで取得したデータを利用するため、この作業は完全に不要となります。作業日報の入力時間は平均1時間/日。1ヵ月で20時間の作業を削減できる計算になります。

経営革新を促進

物流現場における人時生産性の平準化は、雇用が売り手市場となる環境において、以下の経営革新を促進します。

  • 物流現場を経験値による管理から、客観的な基準値に基づく管理へ転換する。
  • 物流現場の人時生産性がリアルタイムに可視化され、タイムリーに作業員の配置を見直せる。

様々な現場で有効

作業員の人時生産性を高める管理手法「レイバーコントロール」は、企業活動における重要な資源である「人」が存在すれば、どのような業種であっても必要です。

したがって「FLabor」は、例えば製造や販売の現場においても、作業員1人1時間あたり何件の作業が可能であるのか、その基準を求めることができるため、適正な作業員数が把握できます。

荷主へのコスト貢献

当社が提供する3PLサービスは、提供単価の低減による荷主への貢献を目指しています。永く3PLサービスを継続的に提供するためには、荷主との間でWIN-WINの関係を築くことが必要です。

また、人時生産性向上による適正単価の提供は、荷主のコスト削減に貢献すると考えています。

労働者に対する配慮

物流現場における作業終了時間の早期化は、人時生産性の向上により可能になります。これは、働く側、雇う側双方に好影響をもたらします。

働く側に対しては、子供が帰宅する16時まで働きたいという要望に応えられます。一方、雇う側であれば、これまで17時までの条件で募集していたところを、16時までで募集できるため、人手不足の環境下で採用の可能性が高められます。同時に、パートタイマーが働きやすい労働条件となり、人件費を削減できます。

次回は、「物流の敵と戦う」にまつわるトピックスを紹介します。