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面接で緊張してしまう人へ②

こんにちは、セイノー情報サービス採用担当Aです。
 
前回の記事では、面接での緊張対策として、自分が面接官として会社を評価するスタンスとその効用をお話させていただきました。

今回は、タイトルの趣旨から少し外れますが、面接対策という点において避けては通られない、予期せぬ質問への対応方法に関してお話させていただきたいと思います!

○予期せぬ質問への対応策~詐欺師のようなプレゼン~


結論からお話しますと、この問題に対する特効薬的な対処法は残念ながらありません。
いきなり拍子抜けする回答となってしまいましたが、それでもこの問題を改善していくための手法は存在します。そしてこの手法というのは、私がまだ入社して半年頃、ある出来事を体験して気づいた内容でもあります。
ですので本記事では、少し自分自身の体験談を振り返りながら、話をすすめてみたいと思います。

今でこそ人事担当として人前で話す機会も多く、何十人、何百人を前にしてガチガチに緊張することは無くなりましたが、物流コンサルタントをしていた当時はとにかく人前で話すことが苦手でした。その中でも特に緊張したのが、配属から半年ほどで実施した模擬プレゼンです。

この模擬プレゼンはお客様に提案した実際の資料を用い、自身がプレゼンターになりきって40分程の疑似的な発表を行うというもので、若手社員を対象に2週間に1回ほど、開催されていました。

プレゼンする相手はSISの物流コンサルメンバーであり、年の近い先輩から経験豊富な部長に至るまで、10数名の前で提案し、その内容を評価してもらう、というものです。また、その中でも毎回3名程がランダムで選ばれ、仮想の顧客になりきり、提案内容に対して様々な質問を投げかけてきます。
この時ばかりは、いつもは頼りになる先輩たちも朝から憂鬱な様子で業務をこなし、こちらが質問しても気もそぞろ、いざプレゼンが始まると、緊張した様子がこちらまで伝わってくるようでした。
そんな様子を新人である私は他人事のように眺め、『先輩大変そうだなあ』と漠然と感じるのみでした。

さて、入社してから半年後、勝手に1年目の社員は選ばれないだろうと思っていたところで、いきなり私が指名されました。
これまでに人前でロクに話したこともない自分が、先輩や上司の前で40分もしゃべり続けないといけない、その日はまったく仕事に手がつかなかったことを今でも覚えています…。

とはいえ、諦めてしまっても物事は進まないので、まずは自分が話す内容を一字一句書き出しました。たしかwordのA4で10枚ほどあったと思います。
そして空き時間があれば何度も読み、覚え、お風呂場で声に出して読む、これを毎日毎日繰りかえし、本番当日を迎えました。

先輩たちが感じていたプレッシャーは開始1時間前程にピークに達しましたが、いざその場に立ってみると、不思議と緊張感はなく、話に若干詰まるところはあったものの、何とかプレゼンを終えることができました。
終了後のフィードバックでも『思ったより話が上手かった』、とか、『要点を押さえられていた』など、当然、新人という所を考慮してはいるのでしょうが、おおむねポジティブな感想をもらいました。

ただし、プレゼンの最後にある部長がこのようなコメントをしたのです。

『たしかに話はよどみなく進んでいったけど、感情が入っていなくてまるで詐欺師から提案されているみたいだ』

その時は『まあ経験も浅いし、しょうがないか』と、自分の中で軽く心に留めるだけで、浮かれた気持ちで帰社したのですが、お風呂に入っている最中、ふとその部長の言葉が気になりだしたのです。

確かに今回は初回ということもあり、とにかくこの模擬プレゼンをこなす事を目的として取り組んできたが、これからは本当のお客さんを前に話をする機会が出てくる。
そうなった場合、プレゼンはあくまでお客さんが信頼してSISを選択するための一つの方法であるはずなのに、それが裏目に出てしまう。
さらに、お客さんとの会話自体も事前に想定することは不可能だし、第一、丸暗記なんて方法は時間がかかりすぎてまったく再現性がない…。

おそらくその部長は私が一字一句、内容を暗記していた事をすぐに察知したのでしょう。そして、そのやり方ではこれからは通用しない、ということをあえて厳しく教えてくれたんだと思います。


そこからは、丸暗記スタイルを捨て、このスライド、この内容で話すべきポイントだけを書き上げるようにしました。
そしてポイント同士は自分のその時の言葉でつなぐ、要点まとめスタイルにシフトしました。当然最初はしどろもどろになり、失敗することも多かったです。
ですが、不思議なものでやっていく度に自分の言葉の運用能力が高まっていくこと、そして自分の意志や思いが確かにその人に伝わっている事を実感しました。
この時に初めて、上司の方たちがアドバイスしてくれた『場数を踏む』ことの大切さを身をもって経験したのです。

そこからは話をする際にも余裕が生まれ、あらかじめ要点をまとめていない部分に関してもリアルタイムに補足をすることができ、考えながら話しができる状態まで進歩したのです。
これぐらいの事は社会人であれば当たり前だろう、と思われるかもしれませんが、入社時の口下手な時から比べると、私としては結構な進歩であり、結果として、緊張しがちで話下手な状態を抜け出すことができたのです。

ここまでの内容から何が読み取れるでしょうか。

あえて全ての事は記載しませんが、やはり暗記をするという事は、その発表時の自身の状態として、文章を読み起こす事に集中しているため、逆にそれ以外の事への注意が散漫になっているという事です。
そして、文章を事前に記憶する為には多くの時間がかかるため、本来であれば一番重要となる自身の回答の質をあげるための時間が奪われてしまっている、ということです。

違った観点から見てみると、上記は手段が目的化しているという事です。

確かに話が流暢な人と、そうでない人がいた場合、ぱっと受ける印象として評価が高いのは前者の人でしょう。但し、本当にそうでしょうか?
私としては重要なことは何にも増してその中身です。
どれだけ金箔塗りで綺麗な物も、中身がスカスカでは何の意味もありません。ですので、個人的にはどれだけ話に詰まっても良いから、その人しか得られなかった体験や、物の捉え方のほうに興味があります。

話の上手さはスキルなのです。先天的なものでは決してありませんから、誰でも練習すれば習得ができます。一方、思考のオリジナリティや視野の広さはなかなか真似できるものではありません。だからこそ、価値があるのです。

私が面接を担当する際には必ず、
「緊張するのは当たり前だから、言葉が詰まっても全然気にしないでください。それよりも普段のご自身の姿が分かる様、肩肘を張らず、等身大の皆さんを表現してください」
とお願いをさせて頂きます。

皆さんが貴重な時間をかけて1社1社の企業を調べ、この会社なら、という思いを持っているように、我々も採用出来れば誰でも良いわけでは決してないのです。
サークルやアルバイトでのこの経験を経ているからこそ、逆境や失敗で様々な事を学んだからこそ、その人と一緒に働く意味、その人でないといけない意味が生まれるのです。


いかがでしたでしょうか。かなり断片的な知識の共有になったのでまとめますと、

  1. 自身を良く見せようと、きれいな回答をまとめる事に時間をかけ過ぎないこと
  2. それよりも日頃から、物事を様々な角度から捉え、自身ならではの発見やそこから得られる知識を増やすことを心掛けること
  3. それが結局のところ自分自身の表現につながり、企業とのアンマッチを防いでくれること(=自身の素が受け入れられるかどうか)
  4. です。
その観点から言うと、就活を始めた頃と就活を終える頃では、本当に大きく成長される方が多い事にびっくりします。
ISでは自身の意見を上手くまとめられなかった方が、堂々とGDでリーダーを実施している姿などを拝見するに、やはりまずは苦手な分野で失敗する事に恐れないこと、それを自分なりに分析して継続することが重要なんだ、など、我々も採用にかかわる中で、日々、多くの事を皆さんから学ばせて頂いています。

それと同時に、あの部長の言葉が無ければ今の自分も変わっていなかっただろうな、と本当にありがたい気持ちになるとともに、こうした拙いブログが、皆さんにとっての学びの場として活用される事を期待して、より価値の高い内容をお届けしないと、という気持ちに繋がるのでした。