株式会社セイノー情報サービス RECRUITMENT 2024 株式会社セイノー情報サービス RECRUITMENT 2024

トップページ 人事部ブログ エントリーシートの書き方②

人事部ブログ

Tips

エントリーシートの書き方②

こんにちは、セイノー情報サービス採用担当Aです。

当記事では前回に続き、なぜテンプレの様なESが生まれるのか、という第一の問いに対する回答を記載していきます。

 

〇ESを多角的な視点で捉える~テンプレートの様なESはどの様に生まれるのか(後半)~


前回の記事では、現代においては無意識に効率性を重視する姿勢が当たり前となっており、その例としてフレームワークという概念を一つのサンプルとして皆さんに明示しました。

現在は情報化社会と言われている通り、本当にありとあらゆる情報に簡易にアクセスする事ができます。
近くでおすすめのカフェや異性へのプレゼント候補、資産形成の仕方や高級オーディオ機器の購入ポイントーそして先輩たちのエントリーシートや就活の攻略方法などです
今では面接での受け答え方のサンプルだけでなく、会員登録すればある特定の企業に合格した実際のESを閲覧できるサービスまで登場しています。

こうしたいわば、就活のフレームワーク化こそが、皆さんに一つの効率性をもたらすと同時に、皆さんが本来持っている大事な個性を抑制する事を加速化させているのでは、と思います。
「学生時代に力をいれたことは?」というESの質問は、文章構成として、「これまでとは異なる環境に所属する→課題や困難に出会う→それを解決(または経験)するという運びで、課題に対してどの様に向き合い、どの様な成果を出せたのかを定量的に表すと良い」 とか、「題材としてはあまり他の人が経験していないものをチョイスする、例えば留学や国際サークルなどがおすすめ」などのアドバイスが載っていれば、その形式に則ったスタイルでないといけないのではないか、と皆さんが不安な気持ちになるのはもっともです。

但し、その先にはまた別の悩みが待っています。つまり、当記事でこれまでしつこく問い続けてきた、何か自分のESってテンプレのような気がする、という漠然とした不安です。

全てを否定する必要はまったくありません。
本当に上記の様な体験の中で、その人にしか得られない貴重な経験や気づきを得られた方もたくさんいらっしゃるでしょう。
そのような方は、それをとても素晴らしく、誇るべき事として自信をもって選考でアピールしてください。一方で、確かにテンプレを流用していたなあ、という方がいるのも事実だと思います。
そうした方に向けて、以下の考え方を一つの参考情報として共有させてください。

重要なのはそもそもテンプレっぽさがどこから来ているのかを考えてみる、という事です。
ある時、この質問を学生の方に問いかけてみました。すると、「アルバイトとか学業とかサークルとか他の学生も良く使っている話題を自分も使う事」だ、という返答が返ってきました。
確かにこうした題材は良く使われるものなので、認識自体は間違っていません。
ですが逆に気になるのが①大学生活で上記以外の事を経験する機会ってそれほど多くあるのか、という事と②仮に誰もが未経験の経験を得たそれ自体を評価対象としてよいのか、という事です。
こうした考えはそのユニークさ(Notテンプレ)を経験機会の希少性という価値観で捉えている表れかもしれません。

そうではなく、私がおすすめしたいのが、皆さんの物事への着眼のユニークさで競う、というものです。
例えば読書が趣味で、学生時代もサークルや部活動には所属せず、様々なジャンルの本をずっと読んでいた人を想定してみてください。
通常の考え方で行くと、サークル関係の話を記載対象として挙げる事ができず、また読書単体でみても内容が薄い為、どうすれば良いかわからない、という結論に至るかもしれません。

但し、読書を「本来であれば身を置く事が不可能な環境・状況を追体験できるもの」 、と定義したら捉えたらどうでしょうか。
大きなビジネスを生み出すに至った経営者の転機や、科学者が体験した功利と倫理、二つの間で揺れ動く苦悩ーこうした日常生活では得難い内容を追体験する、または自身だったらどうしたのかを考える思考材料として利用する等の機会は、それ自体がユニークさに富むものであり、結果として思考、着眼のユニークさに繋がっていくのです。

今回は読書を一例として提示しましたが、アルバイト、サークル、ボランティア等、思考材料は皆さんの目前に無限にあります。
重要なことは、自身にとって当たり前の光景、環境をいかに違った見方から切り取ってみるのか、そこからどの様な事がいえるのかを様々な角度から眺めてみる、ということです。

昨今はVUCAの時代と呼ばれて久しいですが、今後、AIや先端技術のますますの台頭により、我々が生産年齢人口を終えるまでに、確実に「なぜこの仕事を人(あなた)がやる必要があるのか」を問われる時が来ると思います。
その問いで求められている我々の価値は、柔軟で多角的に物事を判断し、情報を編集する能力、そしてそれを支える、思考を止めない強い意思以外にありません。
もし皆さんが経営者だとしたら、どういう人と働きたいでしょうか。
あなたの横にはこれまでとは違った見方を意図的に作り出せる優秀な人材、24時間365日働き続けられるAIやITツールが控えています。
志望者のESを読むとどこかで読んだような内容が記載されています。
皆さんは経営者として自身のESを読み返し、貴重な経営資源を投下してまで採用すべき人材と判断できるでしょうか?

いかがでしたでしょうか。あえて今回の記事では、これ以上の解説は止めてみようと思います。
ESのテクニック論からスタートして、最終的には人々が提供している価値の源泉に着地するーこの脈絡に納得、理解頂けた方は、今後のご自身のESへの向き合い方ががらっと変わるのではないかと思います。
そしてこの思考を以て、ご自身の日常生活にあらためて目を向けてみてください。これまでとは異なる、少し広くて、鮮やかな世界との出会いが待っているはずです。