
ダブルトランザクション
物流用語として使用される「ダブルトランザクション」について、解説しています。
ダブルトランザクション
ダブルトランザクションとは、物流倉庫内をストックエリアとピッキングエリアの2つのゾーンに分けて運用することを指します。2ゾーンに分けて運用することで、トレードオフの関係にある保管効率と作業効率の向上を同時に図ることができます。
ダブルトランザクションの仕組み
ストックエリアは、ケースやパレットなどの大きな荷姿で商品を保管するエリアです。作業頻度は多くないため通路幅を狭くしても作業効率への影響は少なく、保管効率重視のレイアウト設計が可能です。
ピッキングエリアは、出荷のためにピッキングをするエリアで、個装の荷姿が多いです。ピッキングエリアは作業効率を向上させるため、通路幅や作業スペースを大きく取る代わりにエリア内の在庫を少なくします。在庫量を抑えた分、エリア内の在庫が一定数を下回ったら、ストックエリアから在庫を補充する仕組みとなっています。このようにエリアで役割を切り分ける点がダブルトランザクションの特徴です。またピッキングエリア内の在庫を少なくできることは必要なスペースも小さくできることを意味します。ピッキングエリアを小さくすることができればピッキング作業で歩き回る距離も短くなるため、作業効率も向上するという構造になっています。
ダブルトランザクション方式導入の注意点
ダブルトランザクションは、保管効率と作業効率の両方の向上に期待できます。特に出荷の頻度が高く、1回の出荷量が少ない物流業務におすすめです。
一方で、ピッキングエリアの在庫が少なくなったら、ストックエリアから補充する作業が発生します。この補充作業がスムーズに行えなかった場合、ピッキング作業が停滞してしまい作業効率の低下につながります。補充作業の円滑化にはリアルタイムで在庫を把握できる仕組みが必要なので、出荷傾向と在庫の把握方法を考慮して、ダブルトランザクション方式が適しているかどうか判断することが望ましいです。