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株主の皆様へ



株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスに対する行動制限の緩和に伴い、社会経済活動に正常化の兆しが見えはじめ、景気の回復が期待された一方で、ウクライナ情勢等の影響による原材料や資源エネルギー価格の高騰、日米の金利差拡大に起因した急激な円安による輸入コストや物価上昇など、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、鉱工業生産は総じて緩やかな持ち直しの動きが見られるなど国内貨物輸送量に回復の兆しも見えましたが、原油および原材料価格の高騰、供給制約などもあり、企業活動を取り巻く環境は厳しい状況が続きました。

このような状況におきまして、当社グループは、最終年度となる3ヵ年中期経営計画「『Connecting our values』~すべてはお客様の繁栄のために~」のもと、お客様の課題解決に向けた価値提供やロジスティクスなどの成長分野への集中投資を通じて、企業価値向上に向け一丸となって邁進してまいりました。

また、荷主企業や物流企業の相互乗り入れを可能にし、One StopNo Stressなサービスをお客様に提供する「オープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)」の構築を当社グループの全体戦略の中心と位置づけ、その一環として、ラクスル株式会社と共同で、ジョイントベンチャーのハコベル株式会社を設立しました。また、ラストワンマイル領域での配送ネットワークの確立に向け、メール便事業のパイオニアである株式会社地区宅便を子会社化しております。

この結果、当連結会計年度の売上高は6,3157百万円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は2851百万円(前連結会計年度比3.5%増)、経常利益は32688百万円(前連結会計年度比8.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19013百万円(前連結会計年度比10.2%増)となりました。

輸送事業

当事業におきましては、中期経営計画のもと、主力である特積み輸送の効率化を推進し、安定的に利益を確保するとともに、「ロジのSEINO」を新化させ、お客様のバリューチェーンに貢献するため当社グループの領域を制限することなく全国展開の優位性を活かしつつ、またエレクトロニクスやヘルスケアの業種業態に特化した高機能ロジスティクスの展開を目指すなど、成長性のあるロジスティクス分野への営業を強化してまいりました。また全国の倉庫事業者と連携し空き坪情報の共有化と物流業務のアウトソーシングの融合により、お客様目線でロジスティクス全体を最適化し、物流拠点開設の最短化を実現する「見つカル倉庫」のサービスを展開しました。

輸送事業の中核会社である西濃運輸株式会社では、老朽化した施設の建て替えや長寿命化のためのリノベーション投資を行いつつ、同社のロジ・トランス機能もフル活用した中で、新規荷主の獲得や出荷継続率の向上に繋げ、更なる取扱貨物量の確保に努めてまいりました。加えて、自動車運転業務における時間外労働時間が上限規制される、いわゆる「2024年問題」に向けてコスト増となる長距離帯や、採算性の低い高重量帯を中心に適正運賃収受を進め、利益確保に向け取り組んでまいりました。また、取扱貨物量に左右されない定時出発の体制を確立しダイヤグラム化を進めたほか、ユニット輸送等を駆使して運行便全体の効率化を向上させ、取扱貨物量に相関した費用の最適化に加え、西広島支店と北大阪支店でダブル連結トラックの運行を新たに開始するなど、COの削減や働き方改革にも努めてまいりました。

拠点展開では、西濃運輸株式会社横浜支店(横浜市都筑区)の移転、関東西濃運輸株式会社高崎物流センター(群馬県安中市)の新設、セイノースーパーエクスプレス株式会社大阪貨物センター(大阪府門真市)の建て替え、四国西濃運輸株式会社淡路営業所(兵庫県南あわじ市)の移転、沖縄西濃運輸株式会社豊見城物流センター第3倉庫(沖縄県豊見城市)の新設を行い、ロジスティクスインフラの増強による収益の拡大を図っております。

この結果、売上高は4,747億1百万円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益は21869百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。

自動車販売事業

乗用車販売におきましては、全国のトヨタ販売店で全車種併売化となり、チャネル間競争が激化する中、お客様に選ばれる店舗を目指して、2023年1月にネッツトヨタ岐阜株式会社とトヨタカローラ岐阜株式会社が合併し、トヨタカローラネッツ岐阜株式会社が誕生しました。岐阜県最大のトヨタ販売店となり、お客様第一に安心と信頼を感じていただくサービス向上を目指し、顧客満足度向上に向けた継続的な店舗リニューアルに加え、新型車の投入効果を活かしたキャンペーンの展開と、残価型割賦販売の活用による早期代替提案営業などを行ってまいりました。新車販売台数は、世界的な半導体不足、部品供給の停止で度重なるメーカーの稼働停止により前年実績を下回ったものの、第4四半期より販売店への配車台数が増えたことに加え、高額車種の販売台数が増加したことにより1台当たりの利益が増加したことから、前年実績に対し増収増益となりました。また中古車販売においても、新車の納期遅れによる下取り車の減少や、相場上昇による仕入れ難により、販売台数は前年実績を下回りましたが、新車の納期遅れによる小売販売価格とオークション相場の上昇により、売上高は伸長しました。サービス部門では車検・整備入庫に加え、繰り返し入庫に繋がるメンテナンスパック等の商品販売と、推奨販売商品の拡充を図ることで収益の確保に努めてまいりました。

トラック販売におきましては、メーカーのエンジン認証不正問題による出荷制限により、新車販売台数は前年実績を下回る結果となりましたが、中古車販売ネットワークを活用した中古車の増販ならびに予防整備提案による入庫促進と車検整備の外注業務の内製化を進め、収益の確保に繋げてまいりました。

拠点展開では、ネッツトヨタ岐阜株式会社中津川店(岐阜県中津川市)およびトヨタカローラ岐阜株式会社山県店(岐阜県山県市)を移転し、現在はともにトヨタカローラネッツ岐阜株式会社の店舗として営業しております。合併後のトヨタカローラネッツ岐阜株式会社において、郡上店(岐阜県郡上市)および各務原店(岐阜県各務原市)の移転、U-Carネッツ岐南店(岐阜県岐南町)の新設を行っております。

この結果、売上高は942億9百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりましたが、営業利益は47億9百万円(前連結会計年度比4.9%増)となりました。

物品販売事業

物品販売事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。

 燃料販売における販売単価の上昇や家庭紙の販売が堅調に推移したことから、売上高は33517百万円(前連結会計年度比9.0%増)となり、営業利益は8億円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。

不動産賃貸事業

不動産賃貸事業におきましては、主にトラックターミナル跡地や店舗跡地などを対象に各不動産のポテンシャルを最大限に活用した事業を進めております。

この結果、売上高は2191百万円(前連結会計年度比8.9%増)、営業利益は1614百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。

その他

当事業におきましては、情報関連事業、住宅販売業、建築工事請負業および労働者派遣業などを行っております。売上高は26886百万円(前連結会計年度比14.8%増)となりましたが、営業利益は1174百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。

わが国経済の今後の見通しは、半導体など部品の供給不足が緩和され、鉱工業生産は堅調に推移し、生産活動は緩やかに持ち直すと期待されておりますが、引き続き資源エネルギー価格の高止まりや物価上昇が与える影響を注視すべき状況が続くものと予測されております。

当社グループの主要な事業にあたる輸送業界におきましては、労働力人口の減少に伴い長距離トラックドライバーをはじめとする人材不足が課題となります。

このような情勢において、当社グループは「『Team Green Logistics』~共に創り 未来に貢献する~」のスローガンのもと、直面する少子高齢化や環境問題などの社会課題に対応してまいります。持続可能な物流ネットワークの最適化が必要となる中、O.P.P.の概念に沿い、サプライチェーン全体において環境配慮を促すため、お客様ならびに業界業種の枠を超えた様々なパートナーと連携を強化し、チーム一丸となって「Green物流」を共創してまいります。

当社は特積み輸送を社会インフラの一つとして位置づけ、安定供給させていくため、2023年4月に西濃運輸株式会社は関東西濃運輸株式会社、濃飛西濃運輸株式会社、東海西濃運輸株式会社と合併しました。これにより低積載便の削減や同一経済圏での運行効率を高め、輸送の全体最適化を再構築してまいります。そして同業他社とも協業しハブ機能の強化を進め、モーダルシフトを組み合わせるなどして「Green物流」を通じて「2024年問題」にも対応し、運べないリスクの低減とともに、安定的な収益の確保に努めてまいります。さらに、成長分野である貸切領域においては、UI/UXの優れたハコベル株式会社のWebサイトを介して、お客様が貸切車両を手配できる「見つカルチャーター」のサービスをスタートさせており、特積み輸送などとも組み合わせて最適な輸送モードが提供できる優位性をもとに営業を展開してまいります。

また、当社グループ全体に横串を刺し全国展開の優位性を活かしていくため、当社にロジスティクス事業部を新設し、「お客様の総合窓口」としてお困りごとを解決し、同業他社とも連携して最適なロジスティクスの提案を行ってまいります。エレクトロニクス、ヘルスケア、オートモーティブバッテリーといった成長市場における専門領域においては、その産業別にソリューションサービスを展開する3つの事業部も新設し、これらを当社の成長戦略として位置づけ、人材などの経営資源を投入し営業力を強化して、飛躍的な成長を目指してまいります。

自動車販売事業の乗用車販売では、トヨタ販売店の全車種併売化によるチャネル間競争が激化する中、合併したトヨタカローラネッツ岐阜株式会社においては、継続的なリニューアルや商圏分析をもとにした店舗やサービス工場の新設・統廃合による店舗網の最適化を行い、またナンバー認証システム導入による来店対応の迅速化を図るなど、お客様に選ばれる店づくりを目指してまいります。また本部機能やバックヤード業務の集約ならびに人材確保により生産性を高め、利益の確保に努めてまいります。

トラック販売では、メーカーより出荷再開となった大型車ならびに、リース、保険等の金融商品の販売も合わせて、中・小型トラックの増販を目指すとともに、車検・定期点検の早期入庫誘致による台数確保と修理業者等への部品拡販により、収益の確保に努めてまいります。その他、先進整備機器導入などによりES向上を図り、整備士の定着・採用に繋げてまいります。

物品販売事業、不動産賃貸事業およびその他では、事業領域の拡大や既存事業強化を実施してまいります。

当社グループといたしましては、新中期経営計画に則り、お客様の繁栄のため、物流を超えた価値提供からお客様に選ばれる企業となるべく、心をつなぎ未来に貢献して、更なる成長を目指してまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。


     令和56

   代表取締役社長 田口 義隆

   代表取締役   田口 隆男