
ミルクラン(Milk Run)
物流用語における「ミルクラン(Milk Run)」を解説します。
ミルクラン
ミルクランとは
ミルクラン(Milk Run)とは、各サプライヤー(複数の拠点)を一つのルートで巡回しながら集荷することをいいます。ミルクランの語源は牛乳メーカーが各牧場を巡回して牛乳を集荷したことが由来です。
ミルクランは、「ジャストインタイム(JIT):必要な時に、必要なものを、必要な分だけ」で、材料の調達ができることが特徴です。当初計画した通りに生産や生産工場内に保管することができる為、適正な在庫を持つことができます。また、輸送車両の台数も集約することができますので、輸送コストやCO2排出量を抑えることにもつながります。
ミルクラン(後)
ミルクランを活用するメリット
ミルクランを活用することで以下のようなメリットがあります。
1. 物流コスト(輸送や検品等)の削減
サプライヤーがそれぞれ手配した車両が集荷して発注者まで納品していたことが、一台の車両が各サプライヤーを巡回して集荷・納品をすることになるため、車両の手配やコストの削減ができます。また、納品の度に発注者は立ち会う必要があった事が、集荷時で検品まで完結できるようになります。そうすることにより、検品にかかる作業員の人件費を減らすことができ、物流コストの削減につながります。
2. 環境に優しい
上記のイメージ図のように、3台分の車両を運行させることより、1台に減らすことでCO2排出量を抑えることができ、環境に優しい取り組みにもつながります。
ミルクランを活用する注意点・デメリット
ミルクランを活用することで、以下のような注意点やデメリットはあります。
1. 各サプライヤーの移動距離が離れている場合
集荷先の拠点がまとまっておらず、離れている場合は巡回する集荷は適してないこともあります。移動距離が遠くなり、輸送コストが多くかかることで、それぞれの車両で運行することが効率的になるケースもあります。
2. 各サプライヤーに車両制限がある場合
一台の車両で巡回すると、各サプライヤーの集荷先によっては集荷車両が停められない場合もあります(高さや幅、広さなどの制限)。この場合は、対応できる別のトラックを配車することや運転者の拘束時間など調達コストが増えてしまうため、注意が必要となります。